業務の効率化が求められる今、ITリテラシーはビジネスパーソンにとって欠かせないスキルになっています。デジタル化が加速した現在、リモートワークやクラウドツールの利用が当たり前になり、社員一人が扱うツールの平均数は12個にも上ると言われています。これほど多様なツールを短期間でひとりで習得するのはなかなか難しいでしょう。
そこで
社員のITリテラシーが低いと、どんな問題が起きるの?
ITリテラシーって具体的にどうやって高めたらいいの…?
そんなあなたに、この記事では、ITリテラシーが求められる背景や、社員のITリテラシーが低いことで生じるリスク、リテラシーを高めるための3つの方法について解説します。
ITリテラシーは、誰もが学びながら身につけていくものです。ちょっとした取り組みで、すぐに改善できるので、ぜひこの記事を読んで、職場全体のスキルアップに一歩踏み出してみてください!
そもそもITリテラシーとは?


ITリテラシーとは、簡単に言うと「ITを正しく理解して使いこなす力」のことです。
例えば、どんなITツールがあるのかを知り、それぞれの使い方を理解したうえで、業務に役立てるスキルがITリテラシーにあたります。パソコンやスマホ、インターネットを使うスキルだけでなく、情報を正しく扱ったり、セキュリティに気を配る力も含まれます。このスキルを高めることで、単純作業の効率を上げたり、データを分析してビジネスの課題を見つけたりすることができるようになります。
リテラシーとは
リテラシーという言葉自体は、「特定の分野を理解し、使いこなす力」を指します。もともとは「読み書きができる能力」を意味していましたが、今では幅広く使われるようになっています。たとえば、「読解力」「情報を分析して活用する力」もリテラシーの一種です。
「ITリテラシー」や「メディアリテラシー」など、特定の分野に焦点を当てた使い方もよく見られます。これらは、ただ知識を持っているだけでなく、それを実際に使って問題を解決したり、役立てたりする力を意味しています。
ITリテラシーが求められる背景
近年、デジタル化やデジタルトランスフォーメーション(DX)が急速に進んでいます。企業はもちろん、私たちの日常生活でもITが欠かせない存在となりました。この流れの中で、ITを正しく活用する力がますます重要視されています。
ITリテラシーが求められるようになった背景には、以下のような要因があります
- デジタルツールを使う機会が増えたから
- セキュリティ対策が“やっておけば安心”から“やらなければ危険”へと変わったから
- 正しい情報を見極めなければならないから
デジタルツールを使う機会が増えたから
リモートワークが普及した現在、オンライン会議やクラウドサービスの利用が当たり前になっています。
セキュリティ対策が“やっておけば安心”から“やらなければ危険”へと変わったから
怪しいメールを開いてウイルスに感染したり、情報漏えいの被害に遭うリスクも増えています。このようなトラブルを防ぐためには正しい知識が必要です。
正しい情報を見極めなければならないから
間違った情報もたくさんあるなかで、膨大なインターネット情報の中から信頼できる情報を見極める力が求められるようになっています。
このように、便利で安心なデジタル時代を生き抜くためには、ITリテラシーの向上が欠かせません。
社員のITリテラシーが高いとどうなるの?
ITリテラシーの高さは、もはや業務効率やセキュリティ面だけでなく、企業の競争力をも左右します。デジタルツールの活用が当たり前となった今、社員一人ひとりがITリテラシーを高めることが、チーム全体の生産性向上や企業価値につながります。
1. 作業効率がぐんと上がる
ITリテラシーが高い社員は、PCやツールを問題なく使いこなせるので、仕事をスムーズに進められます。たとえば、Excelの関数やショートカットを活用すれば、データ整理や資料作成の時間を大幅に短縮できますよね。一方で、ITリテラシーが低いと、関数やフィルターを使えず手入力を繰り返したり、オンライン会議で画面共有ができず進行が滞ることもあります。
このように、ITリテラシーが高いか低いかによって、業務のスピードや正確性に大きな差が生まれ、企業全体の生産性にも影響を及ぼすのです。
2. 社内のシステムや情報を守れる
ITリテラシーが高いと、怪しいメールを見分けたり、適切なパスワードを設定したりするスキルが身につきます。たとえば、パスワード。「123456」や「password」みたいな簡単なのを使っていませんか?それだと危険すぎます。アルファベット、数字、記号を混ぜた強力なパスワードに変えるだけで、セキュリティがぐっと高まります。このように、ITリテラシーが高いと、基本的なセキュリティ対策をしっかりと行えるようになります。
3.イノベーションが生まれやすくなる
新しいITツールやシステムを導入しても、使い方がわからないと効果を十分に発揮できません。新しいツールやシステムをすぐに使いこなせると、業務効率が向上するだけでなく、新しい発想も生まれやすくなります。
例えば、データ分析ツールを活用すれば、売上の伸び悩む原因を素早く特定し、改善策を考えられますよね。また、AIや自動化ツールを使って繰り返し業務を減らせば、よりクリエイティブな仕事に集中できる環境が整います。このように、ITリテラシーが高い組織では、業務の工夫や新しいアイデアがどんどん生まれ、会社全体で成長していけるのです。
4.社員のSNSトラブルや炎上のリスクが下がる
社員がSNSで不適切な発言や投稿を行い、それが拡散されて企業全体が批判の的となるケースは、これまでにもいくつか見られました。これらの背景には、SNSの使い方や情報発信のリスクについて十分な教育が行われていないことが多いです。
社員のITリテラシーが高ければ、SNSを適切に使いこなす力が身につき、不適切な発言や投稿によるトラブルを未然に防ぐことができます。SNSの使い方を理解していれば、投稿内容を誤って公開せずに済みますし、情報発信のリスクについて知識があれば、言葉選びや発信するタイミングにも配慮ができるようになります。
また、SNSを有効活用するスキルを持つ社員がいれば、採用活動や広報活動でもSNSの力をフルに活用できます。リスクを避けるだけでなく、SNSを積極的に活用して企業の価値を発信することで、時代に合った働き方や事業展開が実現できるでしょう。



SNSのリスク管理を「個人の問題」にするのはよくない!
特に必要な3つのITリテラシーについて
ITは、ただ使えるだけでは不十分です。効率よく仕事を進めたり、情報を守ったりするには、「ITをどう活用するか」をきちんと理解する力が必要です。ここでは、特に大切な3つのITリテラシーについて解説します。
- コンピューターリテラシー(ツールやシステムの利用スキル)
- セキュリティリテラシー(情報漏えい防止などの知識)
- データリテラシー(データ分析や解釈のスキル
コンピューターリテラシー(ツールやシステムの利用スキル)
コンピューターリテラシーとは、仕事で使う基本的なITツールやシステムを操作できるスキルのことです。
たとえば、WordやExcel、Googleドキュメントなどのソフトを使って資料を作ったり、業務で必要なシステム(会計ソフトや顧客管理ツールなど)を使いこなすことです。
これがしっかり身についていると、日々の業務がスムーズに進み、作業効率もアップします。
セキュリティリテラシー(情報漏えい防止の知識)
セキュリティリテラシーは、個人情報や会社の機密データを守るために必要な知識、行動を指します。
たとえば、「強力なパスワードを設定する」「不審なメールを開かない」「公共のWi-Fiを使うときは注意する」などです。
特にリモートワークやクラウドサービスが普及している現在、サイバー攻撃のリスクも増えています。このリテラシーが低いと、情報漏えいやウイルス感染の原因となり、会社全体に大きな損害を与える可能性があります。
データリテラシー(データ分析や解釈のスキル)
データリテラシーは、データを正しく読み解き、それをもとに判断や行動を起こすスキルのことです。
たとえば、売上データやアンケート結果を分析して次の戦略を考えたり、グラフや表を使って他の人にわかりやすく説明する能力がこれに当たります。
このスキルが高いと、データを活用した効果的な意思決定ができるようになります。反対に、このスキルが低いと、せっかくの情報を活かせず、誤った判断をしてしまうかもしれません。
【今すぐ始められる!】ITリテラシーを高める3つの方法
今や仕事でも生活でも欠かせないITスキル。ITリテラシーを高めることで、作業効率が格段に上がったりしたり、トラブルを未然に防げたりします。
ここでは、誰でも取り組みやすい具体的な方法を3つご紹介します
社内研修やオンライン講座を活用する
ITリテラシーを高めるには、まず基本的な知識をしっかり学ぶことが大切です。社内でIT研修を定期的に開催することで、全社員が同じレベルのスキルを身につけられます。
たとえば、パソコン操作やセキュリティ対策の基礎を改めて教える研修を行うと、日常の業務がスムーズになります。
クラウドサービスやデータ分析ツールの使い方などの講座を提供しているサービスもあり、取り入れることで、社員全員が業務効率化につながるスキルを身につけることができます。
ITリテラシー診断ツールを導入する
社員それぞれのスキルレベルを把握するには、ITリテラシー診断ツールの導入がおすすめです。ツールを使うことで、セキュリティ知識やITツールの使い方など、どの部分に弱点があるのかを簡単に診断できます。社員自身も、自分の弱点を認識できるので「もっと学びたい!」という意識が高まりやすいです。
ネット上には、無料で試せるITリテラシーチェックリストもあります。まずはそのようなサービスを活用して、社内のスキル状況を把握してみてはいかがでしょうか。
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引用元:https://rakutesu.com/test-list/it-literacy/



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日常業務でのITツールの利用を習慣化させる
実践を通してITスキルを身につけるのも効果的です。たとえば、普段の仕事でチャットツールやクラウド共有サービスを使う習慣をつけると、自然に使い方がわかってきます。
メールの代わりにチャットでやり取りしたり、ファイルはクラウドで共有するようにすると、仕事が効率的になるだけじゃなく、社員同士のやり取りもスムーズになります。
最初は簡単なツールから始めて、慣れてきたら少しずつ使う範囲を広げていくのがいいですね!
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まとめ
この記事では、ITリテラシーが求められる背景や、知っておきたい3つのリテラシー、さらに、社員のITリテラシーが低いことで生じるリスクや、高めるための3つの方法についてご紹介しました。
近年、デジタル化やデジタルトランスフォーメーション(DX)が急速に進むなかで、ITリテラシーが求められています。
ITリテラシーとは、簡単に言うと「ITを正しく理解して使いこなす力」のことです。インターネットを使うスキルだけでなく、情報を正しく扱ったり、セキュリティに気を配る力も含まれます。
社員のITリテラシーが低いと、次のような問題が起こる可能性があります。
- 作業効率が下がる
- セキュリティリスクが高まる
- イノベーションが生まれにくくなる
- SNSトラブルや炎上のリスクが高まる
特にセキュリティリスクやSNSトラブルは、一度発生すると取り返しのつかない損害を引き起こしかねません。このようなリスクを防ぐためにも、社員一人ひとりのITリテラシーを高めることが欠かせません。
ITリテラシーは、誰もが学びながら身につけていくものです。小さな取り組みからでも始められるので、まずは簡単なチェックリストを試したり、普段の仕事でITツールを使う習慣をつけることから始めてみてはいかがでしょうか。








