「ハコモノ」と呼ばれる福利厚生施設は、かつて多くの企業にとって魅力的な従業員向けの特典でした。しかし、時代の変化とともに、従業員のニーズや価値観が多様化する中、従来型の福利厚生施設は減少傾向にあります。
では、現代において福利厚生施設を有効に導入し、従業員満足度を高めるにはどうすれば良いのでしょうか?
そもそも福利厚生施設とは
福利厚生施設とは、企業が従業員やその家族のために用意した施設です。これらは、従業員が仕事以外の時間を快適に過ごしたり、健康や生活をサポートするためにあります。たとえば、更衣室や給湯室など、仕事に直接関係する設備は福利厚生施設には含まれませんが、リラックスしたり便利に過ごすための場所は福利厚生施設にあたります。
福利厚生施設の代表例
福利厚生施設は、従業員が仕事以外の時間を快適に過ごし、健康や生活を支えるために設けられた施設です。それぞれの施設には、従業員の満足度を向上させ、職場環境をより魅力的にする役割があります。ここでは、代表的な福利厚生施設について、それぞれの特徴を詳しく解説します。
保養所

保養所は、従業員やその家族が休暇を楽しんだり、リフレッシュするために使える施設です。企業が独自に所有する場合もあれば、ホテルや旅館を借りて保養所として利用できる場合もあります。休暇中の旅行や家族との時間を楽しむために、多くの従業員に喜ばれています。
社員食堂

社員食堂は、従業員が手頃な価格で栄養バランスの良い食事をとれる場所です。健康的な食事を提供することで、従業員の健康を守り、仕事のパフォーマンスを上げる効果があります。特別なメニューや季節に合わせた料理が提供されることもあり、利用者にとって魅力的な福利厚生の一つです。
休憩室・仮眠室

休憩室や仮眠室は、従業員が仕事の合間にリラックスしたり、短い休息を取るための場所です。特に仮眠室は、長時間勤務が求められる職場で役立ちます。ただし、業務に必須とされる場合は福利厚生施設には含まれません。
運動施設

運動施設には、ジムや体育館、テニスコートなどがあり、従業員が健康維持やリフレッシュのために利用できます。一部の企業では、自社で運営する施設が敷地内にあるほか、フィットネスクラブと提携し、特別価格で利用できるサービスを提供するケースもあります。
保育施設

保育施設は、従業員が仕事中に子どもを預けられる場所です。仕事と育児を両立しやすくするために設けられており、特に子育て世代にとって重要な福利厚生です。保育所を社内に設置したり、外部の保育施設と提携して利用できるようにするケースも増えています。
企業内売店

企業内売店では、飲み物や軽食、文房具などを購入できます。ちょっとした買い物ができるため、従業員の利便性が向上します。また、昼休みの時間を節約したり、社員同士のコミュニケーションの場としても役立っています。
ハコモノから「持たざる福利厚生」への転換
福利厚生の形態は時代とともに変化してきました。かつては「ハコモノ」と呼ばれる物理的な施設が主流でしたが、バブル経済の崩壊を境に、企業が直面する課題や従業員のニーズが多様化する中で、より柔軟で効率的な「持たざる福利厚生」が注目されるようになりました。以下では、その背景と新たなトレンドについて詳しく見ていきます。
「ハコモノ」福利厚生の広がり
1980年代後半のバブル経済期には、企業が保養所や豪華な社宅といった「ハコモノ」(建物)型の福利厚生施設を次々と建設しました。当時は景気が良く、資金に余裕がある企業が多かったため、こうした施設を持つことが企業のステータスとされていました。
バブル崩壊後の変化
バブル経済が崩壊すると、多くの企業が経済的な困難に直面しました。その結果、高コストで維持が難しい「ハコモノ」型の福利厚生施設を減らし、別の形で従業員を支援する方法にシフトしていきました。
「持たざる福利厚生」の台頭
「持たざる福利厚生」とは、企業が施設を所有せずに従業員をサポートする仕組みのことです。この方法は、コストが抑えられ、従業員も柔軟に利用できるというメリットがあります。
具体的な例としては、以下の通りです
- 自己啓発支援
資格取得やスキルアップ研修の費用を補助します。これにより、従業員は自分のキャリアを成長させる機会を得られます。 - 育児・介護支援
育児休暇や介護休暇を取得しやすくしたり、ベビーシッターの費用を補助するなど、家族をサポートする制度です。 - 健康増進サポート
フィットネスクラブの割引利用や健康診断の補助を行い、従業員の健康を守ります。
従業員にとって本当に魅力的な福利厚生とは?
時代の変化に伴い、従業員が求める福利厚生も多様化しています。「福利厚生」という言葉が持つイメージは、単なる物理的な施設にとどまらず、従業員のニーズに応じた柔軟な支援を含むようになりました。では、従業員が本当に求めている福利厚生とは、どのようなものなのでしょうか?
株式会社ビズヒッツが調査した従業員が本当に求める福利厚生ランキングTOP5は、以下の結果になっています
- 家賃補助・住宅手当:アンケートによると、住宅費の負担を減らしてほしいという声が一番多く上がっており、特に、若い社員や地方から転勤してきた人にとって、とても大切な福利厚生とされています。
- 特別休暇(アニバーサリー休暇・リフレッシュ休暇など):誕生日や記念日など、個人の特別な日に休める制度は、多くの従業員から支持を得ています。
- 旅行・レジャーの優待:旅行やテーマパークの割引など、プライベートな時間を充実させる制度は、従業員から高く評価されています。
- 社員食堂・食事補助:社員食堂や食事補助は、健康管理をサポートするだけでなく、社員の生活の質を向上させるという点で高い評価を受けています。
- スポーツクラブの利用補助:運動不足や健康維持をサポートし、特にデスクワーク中心の従業員や健康意識の高い人に人気の制度です。
引用元: ビズヒッツ調査結果 (【あったら嬉しい福利厚生ランキング】男女501人アンケート調査 | 株式会社ビズヒッツのプレスリリース↗)
調査結果からもわかるように、やはり「住宅関連」や「社員食堂」といった生活に密接に関わる福利厚生は、従業員にとって大変魅力的で、変わらず人気があります。
しかし、従業員が求める福利厚生の多くは、企業が直接運営する「福利厚生施設」だけでなく、外部サービスを利用した「代行型福利厚生」の活用でもカバーできます。たとえば、社員食堂や保養所といった従来型の施設は依然として多くの従業員に支持されていますが、代行サービスを活用することで施設を所有せずとも、従業員に同等のサービスを提供することが可能です。
従来型施設のメリット
- 会社の特徴を反映し、従業員に直接アプローチできる。
- 長期間にわたり安定した利用が見込める。
代行サービスのメリット
- 初期投資や運用コストを抑えつつ、多様な選択肢を提供可能。
- 従業員のニーズに合わせて柔軟に対応できる。
おすすめの福利厚生代行サービス
保養所や社員食堂、運動施設などを作りたいけれど、コストや管理の負担が大きすぎて実現が難しい…と悩んでいませんか?そんな方におすすめなのが、福利厚生代行サービスの活用です。代行サービスを利用すれば、施設を持たずとも、従業員が同じようなサービスを受けられる仕組みを整えることが可能です。
そこで、福利厚生代行サービスの中でも、特におすすめのサービスをいくつかご紹介します。これを参考に、コストを抑えながらも魅力的な福利厚生を導入してみてはいかがでしょうか?
1. ベネフィット・ステーション
ベネフィットステーションは、業界No.1の会員数を誇り、そのサービス数も140万以上と、日常で使える特典から研修支援まで幅広くサポートしてくれます。
また、Netflixプランなどの追加プランもあり、自社の状況に応じて、サービスを手厚くすることが可能です。
福利厚生の型 | カフェテリア型 |
サービスの概要 | 健康支援、教育研修、エンタメ、給料特払いなど |
メリット・特徴 | 1. 二親等まで使用できる約140万件以上の豊富なサービス 2. 人事担当の悩みである「従業員エンゲージメントの向上」「離職率に対するアプローチ」など様々な問題を一括で解決 |
費用 | 月額1人当たり1000円~1850円 |

二親等まで使えるのはとっても嬉しい!
2.リロクラブ
福利厚生倶楽部は、業界最多の350万種類もの豊富なメニューを低コストで提供している福利厚生サービスです。宿泊や旅行、育児、介護まで幅広いジャンルを網羅しており、AIレコメンド機能もあるため、利用者の興味や好みに合ったサービスを簡単に見つけられるのも魅力的ですね。
福利厚生の型 | カフェテリア型 |
メリット・特徴 | 1.低コストで業界最多(約350万種類)のサービスを提供可能 2.AIレコメンド機能により、利用者の興味や嗜好に応じた最適なサービスを瞬時に見つけることが可能 3.独自の補助金による最安値の提供を可能にし、各種の事業を展開している |
費用 | 従業員一人あたり月額800円(税抜)から利用可能 |
詳しくは:福利厚生のことならリロクラブにお任せ|株式会社リロクラブ↗



総合型の福利厚生では月額800円で最安値!
3.WELBOX


WELBOXは全国のサービスや数万か所の施設を会員価格で利用する事ができる福利厚生サービスです。内定者にも、現役社員と同様の福利厚生を提供することで就活者へのアピールに利用できるサービスがあったり、会員制リゾート「東急ハーヴェストクラブ」併設の「ホテルハーヴェスト」も特別価格で利用できます。
福利厚生の型 | カフェテリア型 |
メリット・特徴 | 1.大企業から中小企業まで、全国約500万人の従業員が利用 2.全国のサービスや施設と提供しており、数十万点の商品、数万か所の施設が会員価格・特典対象。 |
費用 | 要お問い合わせ |
詳しくは:「量」と「質」にこだわった総合型福利厚生サービス|WELBOX



会員制リゾートも割引価格で使える!
まとめ
福利厚生施設は、従業員が快適に働ける環境を作るだけでなく、会社の成長にも大きく貢献します。特に、従業員の満足度が上がることで、やる気や仕事の効率がアップし、離職率も下がるなど、具体的な成果が期待できます。
最近では、昔ながらの「ハコモノ」型の施設に加えて、代行サービスを活用した柔軟な福利厚生も増えています。企業はコストを考えながらも、従業員のニーズに合った福利厚生を選ぶことで、魅力的な職場を作ることができます。
福利厚生は一見コストに見えるかもしれませんが、実は長い目で見れば会社の競争力を高める大切な投資です。これからは、従業員が本当に求める福利厚生を柔軟に取り入れることが、会社の成功のカギになると言えます。