テレワークが増え、業務の見える化が求められる中、日報をルール化する企業はどんどん増えています。
でも、実際に運用してみると…
- とりあえず書いてるだけで、中身が薄い…
- 部下が何をしているのか、イマイチ見えない…
- 読むのが面倒で、結局活用できてない…
といった課題に直面しがちです。
その原因は、日報の目的やルールが曖昧なまま運用されていることにあります。
しかし、フォーマットを見直し、ちょっとした工夫を加えるだけで、日報は「面倒な作業」から「チームの生産性を上げるツール」 に変わります。
この記事でわかること
- 日報の基本的な書き方 – 何を書けばいいの?
- 使いやすいテンプレート – 書くのも読むのもラクになる!
- 形骸化しないコツ – 長続きする運用のポイント
どうせやるなら、意味のある日報にしたいと考える人も多いはず!この記事を読んで、チームがちゃんと使える日報の仕組みを作ってみませんか?

ぜひこの記事を読んで、日報のテンプレートを作ってみてください!
そもそも業務日報とは?


業務日報とは、1日の業務内容を振り返り、上司やチームと情報を共有するための報告書です。昔から多くの企業で使われている仕組みで、「作業日報」と呼ばれることもあります。
以前は手書きや紙での提出が一般的でしたが、現在ではメールやチャット、専用のシステムを使ってデジタル化が進んでいます。
日報を書く7つの目的とメリットとは
日報は、単なる業務報告ではなく、自己成長や組織全体の生産性向上に役立つ重要なツールです。しかし、「毎日日報を書け」と言われても、その目的やメリットを理解していなければ、形だけの作業になりがちです。
そこで、日報を活用することで得られる7つの目的とメリットを解説します。
1. 仕事の振り返りをして、改善につなげる
日報を書くことで、その日の業務を客観的に振り返ることができます。「なぜ予定通りに進まなかったのか?」
「想定外のトラブルはどう対応すればよかったのか?」など、自分の仕事の進め方を見直し・改善することで、 仕事の質が向上します。
2. PDCAサイクルを回し、成長につなげる
振り返るだけでなく、「次にどうするか?」を考えることで、PDCA(計画→実行→振り返り→改善)のサイクルを回しやすくなります。次のアクションを考えることで
- 計画を立て、試し、振り返る習慣が身につく
- 日々の仕事の進め方を改善し、効率化できる
など、 自分の成長を実感しながら仕事に取り組むことができます。
3. 上司やチームと情報を共有し、スムーズな連携を実現
リモートワークや多拠点勤務が増える中、 「誰がどのような仕事をしているのか」 が見えにくくなっています。日報を通して情報共有を行うことで以下のような効果が期待できます
- 上司やチームに業務内容を共有できる
- 進捗状況が一目でわかり、サポートを受けやすくなる
- チーム全体の仕事の透明性が高まり、連携がスムーズになる
日報が 「報告の場」ではなく「情報共有の場」 になれば、組織全体の生産性も向上します。
4. 自分の努力や実績を可視化し、評価につなげる
日々の業務の成果は、 目に見えにくいものです。しかし、日報に実績や工夫を記録しておくことで、 上司にアピールする材料になります。それだけでなく、自分でも成長の過程を振り返り、達成感を感じられるようになります。
5. 業務の記録を残し、ノウハウを蓄積する
「誰がいつ何をしたのか?」という履歴が残ることで、業務のノウハウがしっかり蓄積されます。
過去の仕事を振り返れば、同じ作業をスムーズに進めるコツがつかめるし、トラブルが起きたときも原因をすぐに分析できて、対応がスピーディーになります。また、新しく入った社員や異動してきたメンバーの教育にも役立つので、引き継ぎがスムーズになり、早く仕事に慣れることができます。
こうした情報が積み重なっていけば、組織全体の業務効率もどんどんアップしていくはずです。
6. ナレッジを共有し、チームの成長を促進する
日報は個人の記録だけでなく、チーム全体の知見を共有するためのツールでもあります。
- 成功事例を共有し、業務改善のヒントにできる
- 失敗談を共有し、同じミスを防ぐ
- 他のメンバーの工夫や考え方を学び、成長につなげる
個人の学びを チーム全体の財産 にすることで、組織全体の成長スピードが加速します。
7. コミュニケーションの活性化につながる
日報を活用すれば、上司や同僚とのコミュニケーションのきっかけが自然に生まれます。上司は業務の進捗を把握しやすくなり、適切なアドバイスやフィードバックをしやすくなります。また、チームメンバー同士も「お疲れ様!」や「いいアイデアだね!」と気軽に声をかけやすくなり、リモートワークでもつながりを感じられるようになります。



日報をただの報告ツールではなく、意見交換の場として活用することで、より良い職場の雰囲気を作ることができますね!
業務日報の基本的な書き方とテンプレート
日報は、ただ書けばいいものではなく、「業務の可視化」や「振り返り」に役立てることが大切です。適切な書き方を身につけ、無駄なく簡潔に記録することで、個人の成長やチームの業務効率化につながります。
ここでは、業務日報をスムーズに書くための基本構成と、活用しやすいテンプレートを紹介します。
日報の記載項目
業務日報には、業務の進捗を明らかにし、翌日以降の業務改善に活かせる情報を記載する必要があります
以下の基本項目を押さえることで、誰が見ても分かりやすく、活用しやすい日報になります。
- 提出日(日報を記入した日付)
- 氏名(日報を提出する人の名前)
- 所属部署(どの部署の業務報告か明確にする)
- 業務内容(その日に行った業務の詳細)
- 業務の結果・進捗(業務の進行状況や成果)
- 所感・気付き(業務を振り返り、良かった点や改善点を記載)
- 申し送り事項(翌日以降の業務に関する注意点や引き継ぎ事項)
シンプルで統一されたフォーマットを活用することで、日報の作成時間を短縮しつつ、効果的に情報を共有できるようになります。
チームの生産性を高めるために必要な4つの項目
業務日報を効果的に活用するためには、必要な情報を整理し、伝わりやすく書くことが重要です。
特に以下の4つの要素を含めることで、業務の振り返りや改善につながる日報になります。
業務日報のテンプレート例
シンプルで汎用性のあるテンプレートを活用することで、日報作成の負担を減らし、継続的に運用しやすくなります。
日報テンプレート例
【日付】2024年〇月〇日
【名前】〇〇〇〇
【今日の目標】〇〇を完了させる
【業務内容】
・9:30~11:00 A社商談
・13:00~14:00 社内ミーティング
【所感】
・成功した点:〇〇
・課題:〇〇
・次回に向けた改善策:〇〇
【明日の予定】〇〇の作成、クライアント対応
① 今日の計画・目標
その日の業務をスムーズに進めるためには、事前にやるべきことを明確にし、計画を立てることが大切です。業務の優先順位を考えながら、どのタスクをどのタイミングで進めるのかを整理しておくと、時間を有効に使えます。
また、具体的な目標を設定することで、業務の達成度を客観的に振り返ることができます。
② 業務内容
日中に取り組んだ業務の流れを記録し、どの業務にどれくらいの時間を費やしたのかを把握しましょう。特に、進捗が遅れている場合やタスクが多くなっている場合は、時間配分の見直しや業務の進め方の改善につながります。
時系列で記録すると、1日の流れが整理しやすくなり、業務内容を振り返る際にも役立ちます。
③ 所感(振り返り・気づき)
業務日報を単なる「作業記録」にしないためには、その日の業務を振り返り、気づいたことや課題を言語化することが大切です。何がうまくいったのか、どの部分を改善すべきなのかを整理することで、次回以降の業務に活かせる学びを得られます。
また、振り返りを記録しておくことで、同じミスを繰り返さず、業務の質を向上させることができます。
④ 明日からの予定・目標
今日の振り返りをもとに、翌日以降に取り組む業務を計画することで、仕事の効率が向上します。
目標を事前に設定することで、1日のスタート時に迷うことなくスムーズに業務に取り組めるようになります。
読みやすい日報のポイントとは?
業務日報は、上司やチームメンバーが確認しやすいように、「簡潔でわかりやすい表現」を心がけることが重要です。
ここでは、読みやすく、伝わる日報を作成するためのポイントを紹介します。
① フォーマットを統一する
業務日報は毎日作成するため、フォーマットを統一することで、記入する側の負担が減り、管理者も確認しやすくなります。
また、毎日同じ形式で書くことで、自分自身の業務の流れを整理する習慣も身につきます。
② 箇条書きを活用する
長い文章ではなく、ポイントごとに箇条書きにすると、読み手が一目で理解しやすくなります。
特に「業務内容」「所感」「改善点」などは、簡潔に整理するとわかりやすくなります。
悪い例(文章が長い)
「今日は午前中にA社の商談があり、顧客の課題をヒアリングしました。午後は社内でチームミーティングを行い、今後の方針を決定しました。」
良い例(箇条書きで簡潔)
【業務内容】
- A社商談:顧客の課題をヒアリング
- チームミーティング:今後の方針を決定
③ 数値や具体的な行動を記入する
「頑張った」「営業した」などの抽象的な表現ではなく、数字や具体的な行動を入れると、業務の成果がわかりやすくなります。
悪い例
「今日は営業を頑張った」
良い例
「5件訪問し、2件アポイント取得」
④ 第三者が読んでもわかる内容にする
日報は、作成者だけでなく、上司やチームメンバーが読んで理解しやすいように書くことが大切です。
そこで意識したいのが、「5W1H」です。
5W1Hを意識した書き方
- When(いつ) → 1月25日 午前10時
- Where(どこで) → A社 オンライン商談
- Who(誰が) → 自分・A社の担当者
- Why(なぜ) → 新サービスの提案のため
- What(何を) → サービスの詳細をプレゼン
- How(どうやって) → 資料を用いて説明
これを意識することで、「誰が読んでも内容が明確な日報」になります。
⑤ 日報はその日のうちに作成
日報は、業務が終わった直後に書くのがベストです。
翌日に持ち越すと、細かい業務内容や気づきを忘れてしまい、正確な記録ができなくなります。その日の振り返りは、その日のうちに!を心がけましょう。
業務日報で起こりがちな3つの問題点
業務日報には、業務の振り返りや情報共有など、多くのメリットがあります。しかし、「日報が形骸化してしまう」「社員の負担が大きい」「活用されている実感がない」など、運用がうまくいかない企業も少なくありません。ここでは、業務日報のよくある問題点と、その解決策をご紹介します。
1. 日報を書くことが目的になってしまう
毎日の日報が、単なる「フォーマットの穴埋め作業」になってしまい、社員が意味を感じずに書いているケースが多くあります。日報の本来の目的(業務の振り返りや情報共有)を意識しないまま書くと、ただの作業になってしまい、結果として形骸化します。
解決策
- 日報の目的を明確にする:「何のために書くのか?」を社員に周知し、目的を意識しながら記入してもらう
- 自由記述を増やす:テンプレートに縛られすぎず、気づいたことやアイデアを書ける欄を設ける
- 活用方法を見直す:定期的に日報を活用したミーティングを行い、書くことの意味を実感できるようにする
2. 業務日報を書くのに時間がかかる
「日報を書く時間がない」という声はよく聞かれます。業務の詳細をすべて書こうとすると、時間がかかりすぎてしまい、負担感が増します。その結果、日報を書くことが面倒になり、形骸化することも。
解決策
- 書くべき内容をシンプルにする:「今日やったこと・気づいたこと・明日の予定」など、簡潔なフォーマットを用意する
- 不要な情報を書かない:目的に合わない長文の記述を避け、重要なポイントだけをまとめる
- テンプレートやツールを活用する:日報管理ツールを使うことで、入力がスムーズになり、手間を削減できる
3. 日報が本当に活用されているのかわからない
社員がせっかく日報を提出しても、誰が読んでいるのか、どう活用されているのかが不明確だと、モチベーションが下がります。特に、上司からのフィードバックがないと、ただ提出するだけの作業になりがちです。
解決策
- 上司がフィードバックを行う:「ありがとう」「いい視点だね」など、簡単でもいいのでコメントを返す
- 日報ツールを導入する:「いいね」ボタンやコメント機能を活用し、上司が閲覧したことを社員に伝えられるようにする
- 日報を活用する場を作る:チームミーティングで日報をもとに議論を行い、活用されていることを実感させる
業務日報の共有方法とそれぞれの特徴
業務日報の共有方法にはさまざまな選択肢があります。どの方法を選ぶかは、組織の規模・業務フロー・使い慣れたツールの有無などによって変わります。
それぞれの方法にはメリットとデメリットがあるため、自社の環境に合ったものを選びましょう。
1.メール・チャットでの共有
メールやチャットツール(Slack、Teams、LINE WORKSなど)を使って日報を共有する方法です。すでに社内で使い慣れているツールを活用できるため、導入が簡単で手軽に始められます。
メリット
- すでに使い慣れているツールのため、新たなシステム導入の必要がなく、簡単に始められる
- 社内のコミュニケーションツールとして日常的に使われているため、送信しやすく、返信やフィードバックを受けやすい
デメリット
- 日報が他のメッセージに埋もれてしまい、見落とされるリスクがある
- 各自の書き方がバラバラになりやすく、フォーマットが統一されずに管理が煩雑になる
2.Excel・Wordでの管理・共有
ExcelやWordを使って日報を作成し、メールやクラウド(Google Drive、OneDrive など)で共有する方法です。
自由にフォーマットをカスタマイズできるため、業務に合わせた日報を作成できます。
メリット
- フォーマットを統一しやすく、日報の項目を業務に適した形にカスタマイズできる
- データを蓄積しやすく、過去のデータを検索・分析するのに適している
デメリット
- 毎回ファイルを開いて編集・保存・送信する手間がかかり、作成・管理の負担が増える
- データが増えると、過去の日報を探すのが大変になり、検索性が低くなる
3.グループウェアを利用する
グループウェア(Garoon、desknet’s NEO、サイボウズなど)の日報機能を活用する方法です。スケジュール管理やファイル共有機能と連携できるため、社内の業務を一元管理しやすくなります。
メリット
- スケジュール管理やタスク管理、ファイル共有などの機能と連携しやすく、業務全体の効率化が期待できる
- 組織全体で統一したフォーマットを設定できるため、日報の内容を標準化しやすい
デメリット
- グループウェアの導入にコストがかかり、システムの習熟が必要になる
- 他の業務システムとの連携が必要な場合、設定や運用に時間がかかることがある
まとめ
業務日報は、業務の見える化や振り返り、チームの情報共有に役立つ大切なツールです。ですが、「形だけになっている」「結局読まれていない」といった課題を抱える企業も少なくありません。
日報を有効活用するには、以下のポイントが大切です。
- 目的を明確にする → 「なぜ日報が必要なのか」を明確にし、社員に意義を伝えることで形骸化を防ぐ
- フォーマットを統一する → シンプルで分かりやすいフォーマットを用意し、必要な情報を簡潔に記入できるようにする
- フィードバックを行う → 上司がコメントを返すことで、日報を書く意欲を高め、社員の成長をサポートする
- 運用を効率化する → メール・チャット・グループウェア・日報ツールなど、自社に合った管理方法を導入し、負担を減らす
特にリモートワークが増えた今、チームの状況を把握し、業務のムダやミスを防ぐために、日報の活用がますます重要になっています。
適切な運用をすることで、「書かされる日報」から「業務改善につながる日報」へと変えていくことができます。
また、日報をより効果的にするためには、単なる業務の記録ではなく、「気づき」や「改善策」まで盛り込むことがポイントです。
弊社では、社内SE業務やバックオフィス業務のアウトソーシング(月額4万円〜)を提供しており、業務効率化のサポートを行っています。
社内コミュニケーションツールの導入や運用のノウハウ支援も行っておりますので、日報の運用改善やITツールの導入でお悩みの企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。










