かつて「出社するのが当たり前」だった働き方が、今、劇的に変わろうとしています。
リモートワークが普及したものの、「雑談が減った」「チームの一体感が薄れた」といった課題を感じる企業も少なくありません。
そんな中、メタバースを活用したバーチャルオフィスが注目されています。3D空間でアバター同士がリアルタイムに会話し、まるでオフィスにいるかのような自然なやりとりができるのがバーチャルオフィスです。
物理的な距離を超えて、「働く場所の制約をなくし、生産性とコミュニケーションを両立させる」という新たな可能性が広がっています。
この記事では、最新のメタバースの現状を交えながら、バーチャルオフィスのメリット・デメリットやおすすめのツール4選について紹介します。

バーチャルオフィスだと、リアルオフィスのようなコミュニケーションの流れを再現できるんです!
そもそもメタバースとは?


メタバースとは、インターネット上にある仮想空間のことです。パソコンやスマホを使って、自分の分身(アバター)を作り、その世界に入ることができます。そこでは、友だちと話したり、買い物をしたり、仕事をしたり、ゲームをすることができます。最近は技術が進んで、よりリアルな体験ができるようになっています。
メタバースの特徴
- 現実世界に近い体験ができる! →常に時間が流れ、自由に行動できる
- アバターを使って活動する! →ミーティングやイベントに参加したり、買い物したりできる
- ゲームだけでなく、ビジネスにも活用されている! →リモートワークやバーチャル会議にも利用される
VRとの違いは?
メタバースとVR(バーチャルリアリティ)は似ている言葉ですが、意味は違います。
- メタバース:「インターネット上に作られた仮想の世界」
- VR:「仮想世界を体験するための技術や機械」
メタバースは「場所」であり、VRは「その場所をよりリアルに感じるための道具」と考えるとわかりやすいです。VRがなくてもメタバースは使えますが、VRを使うとより深く入り込んで楽しむことができます。
仮想空間との違いは?
仮想空間はインターネット上に作られたデジタルの世界で、ゲームやシミュレーション、VR体験などに使われ、必ずしも人と交流する場ではなく1人で楽しむものも含まれます。 一方、メタバースは仮想空間の中でも、リアルタイムで人々が集まり、会話や仕事、買い物などの活動ができる空間で、現実世界と同じようにコミュニティや経済が成り立つことが特徴です。
メタバースの活用事例
メタバースは、ただの「仮想空間」ではなく、人々が集い、交流し、さまざまな活動を楽しめる場として発展しています。その代表例が、ゲームの世界でのメタバース活用です。単にプレイするだけでなく、プレイヤー同士が自由にコミュニケーションを取り、イベントやライブを体験できるなど、新たな価値を生み出しています。
フォートナイト(Fortnite)


引用元:https://www.fortnite.com/?lang=ja
アメリカのゲーム会社 Epic Games が開発した「フォートナイト」には、メタバース要素を含む 「パーティーロイヤル」 モードがあります。
特徴
- 戦闘がないため、ユーザーは自由に移動し、ミニゲームで遊んだり、友達と交流したりできる。
- ゲーム内で バーチャルライブ が開催され、世界中のプレイヤーがアーティストのパフォーマンスを楽しめる。
- 米津玄師さんや星野源さん など、有名アーティストがライブを行い、大きな話題となった。
フォートナイトは、ゲームを超えた「仮想のソーシャルプラットフォーム」として、多くのユーザーがコミュニケーションを楽しむ場になっています。
あつまれ どうぶつの森(あつ森)


引用元:https://www.nintendo.com/jp/switch/acbaa/index.html
任天堂の人気ゲーム「あつまれ どうぶつの森」も、メタバースの概念を取り入れた作品です。
特徴
- プレイヤーが仮想の島を自由にカスタマイズし、友達と一緒に遊ぶことができる。
- アバター(キャラクター) の服装を変更したり、アイテムを収集したりして個性を表現できる。
- 世界的ファッションブランドAnna Sui(アナスイ)がゲーム内でアバター用の服を提供し、ファッション業界ともコラボレーション。
あつ森は、ゲームの枠を超えて仮想空間での「ライフスタイル」を体験できる場となっています。
Minecraft(マインクラフト)


引用元:https://www.minecraft.net/ja-jp
Minecraft は、3Dブロックで作られた仮想空間の中で、プレイヤーが自由に建築や冒険を楽しめるゲームです。2009年にリリースされて以来、世界中で多くのユーザーに親しまれています。
特徴
- 自由度の高いクリエイティブ要素→ 3Dブロックを使って、自分だけの家や街を建築できる。
- マルチプレイ対応で友達と遊べる→ 他のプレイヤーと協力して、広大な世界を探索したり、大規模な建築プロジェクトに挑戦したりできる。
- 教育機関での活用→ 「Minecraft: Education Edition」は、学校の授業やプログラミング学習に活用され、子どもたちの創造力を育むツールとしても注目されている。
- バーチャルイベントの開催も可能→ 実際にMinecraft内で卒業式やコンサート、展示会などが開催されることもあり、ゲームを超えた活用が進んでいる。
Minecraftは、単なるゲームではなく、教育・創作・コミュニケーションの場としても発展し続けるメタバース的要素を持つプラットフォームとなっています。
【リモートワークの新しい働き方】バーチャルオフィスとは?
バーチャルオフィス とは、オンライン上に再現されたオフィス空間で、社員が アバター(自分の分身)を使って、自由に移動しながら仕事ができる仮想オフィスです。リモートワークが増える中、「社員の働きが見えづらい」「気軽にコミュニケーションが取れない」 といった課題を解決する手段として注目されています。
バーチャルオフィスでできること
1.オンライン上にリアルなオフィスを再現
社員はアバターを使って出社し、仮想オフィス内で働くことができます。仮想オフィスにはデスクや会議室があり、オフラインと同じように仕事ができます。
2.気軽なコミュニケーションが可能
近くにいる人に話しかけるだけで通話が開始され、相談や雑談がスムーズできます。
他のツールでは気軽にできない「ちょっといいですか?」が簡単にできるので、ZoomやSlackより自然なやりとりが可能です。
3.会議や研修もバーチャルで実施
ホワイトボードやプレゼン機能を使い、リアルな会議と同じように打ち合わせをすることもできます。研修や勉強会もオンラインで実施しやすいです。
ZoomやSlackとはどう違うの?
現在、リモートワークでは主に Zoom・Teams(ビデオ会議ツール) や Slack・Chatwork(テキストチャットツール) が活用されています。これらは便利なツールですが、リアルオフィスと比べると、まだ足りない部分があります。以下の表で、主なツールとバーチャルオフィスの違いを整理しました。
| ツール | 特徴 | 課題 |
| Zoom・Teams | 画面共有・ビデオ通話ができる | 会議以外での雑談や相談がしづらい / 常時接続だと疲れる |
| Slack・チャットツール | テキストでのやり取りができる | 文章では伝わりにくいニュアンスがある / 即時の会話がしづらい |
| メタバースオフィス | アバターで自然に会話・移動できる / 出社のような感覚で働ける | 導入コストが発生 / 操作に慣れる時間が必要 |
このように、それぞれのツールには強みがありますが、リアルオフィスのようなコミュニケーションの流れを再現できるのはバーチャルオフィスだけです。
導入にはコストがかかり、最初は操作に慣れるまで時間が必要ですが、長い目で見ると業務の効率が上がり、リモートワークの課題を解決できます。
特に、「社員同士の会話が減り、仕事がスムーズに進まない」「チームの一体感がなくなった」 という悩みを抱える企業には、バーチャルオフィスが効果的です。導入することで、コミュニケーションが活発になり、仕事がしやすくなるだけでなく、社員のモチベーション向上や離職率の低下も期待できます。
バーチャルオフィスが解決できるリモートワークの3つの課題
では、なぜバーチャルオフィスが注目されているのでしょうか?その理由は、既存のツールでは解決できなかった課題を補完できるからです。
① 雑談や相談が自然にできる
リモートワークでは「ちょっと話しかける」ことのハードルが高いため、ちょっとした相談や雑談が減りがちです。これにより、チームの一体感が薄れたり、アイデア共有の機会が減ることがあります。
バーチャルオフィスなら…
- アバターを使い、オフィス内を自由に移動できるため、近くにいる人に自然に話しかけられる。
- 会議を設定しなくても、同僚と気軽に雑談や相談 ができるため、リアルオフィスに近い感覚で働ける。
② 見えない不安を解消!誰が何をしているのか分かる
リモートワークでは、「誰がどの業務を進めているのか?」が見えづらくなるという課題があります。上司は部下の業務状況を把握しにくく、社員側も「今、話しかけていいのか?」が分からず、業務が停滞することもあります。
バーチャルオフィスなら…
- アバターのステータス(「会議中」「作業中」「話しかけOK」など)を設定できるため、話しかけるタイミングが分かりやすい。
- 「誰がどのプロジェクトに関わっているか」が可視化されるため、リーダーも業務状況を把握しやすい。
- Zoomのように常時カメラONの監視状態にならず、適度な自由度と安心感を両立できる。
③ 会議やプレゼンがリアルに近い形でできる
オンライン会議では、ホワイトボードを使ったアイデア出しや、メンバー同士の相互作用が不足しがちです。また、画面共有だけではプレゼンの臨場感が薄れ、参加者の集中力が続きにくいというデメリットもあります。
バーチャルオフィスなら…
- 3D空間でのプレゼンや会議が可能で、リアルなオフィスのようにホワイトボードを使った議論 ができる。
- 参加者が自由に移動できるため、リアル会議に近い雰囲気でコミュニケーション できる。
- バーチャルイベントや研修の開催にも活用できるため、新人教育や社内イベントにも最適。
バーチャルオフィスのデメリットとは?導入前に知っておきたい3つの注意点!
バーチャルオフィスには多くのメリットがありますが、導入前に知っておくべきデメリットもあります。どのような課題があるのか、対策とあわせて詳しく解説します。
1.導入コストがかかる場合がある
バーチャルオフィスの導入には、システムの利用料や、必要に応じてVR機器・PC環境の整備が必要になります。特に小規模企業にとっては、初期費用が負担になることも。
対策
- 無料トライアルを活用し、まずは小規模で導入し効果を検証する。
- VR機器なしでも利用できるツール(RISAやMetaLifeなど)を選ぶことで、コストを抑える。
2.すべての業務に適しているわけではない
バーチャルオフィスは、リアルな会話や雑談をしやすい反面、集中作業には向かないこともあります。常時接続が必要な場合、逆に「話しかけられるストレス」を感じることも。
対策
- 「話しかけNG」などのステータス設定ができるツールを選ぶ(RISAは「会議中」「取り込み中」などの表示が可能)。
- チームごとにルールを決め、「集中したい時間は通知をオフにする」などの運用を取り入れる。
3.セキュリティリスクがある
クラウド上で業務を行うため、データの管理やセキュリティ対策が必要です。社外秘の情報を取り扱う企業は、慎重な導入が求められます。
対策
- 信頼できるベンダーのサービスを選び、セキュリティ対策を確認する。
- アクセス制限やログ管理機能があるバーチャルオフィスを導入する。
バーチャルオフィスに最適なメタバース空間ツール4選
メタバースは、ビジネスの分野でも大きく活用され始めています。リモートワークの普及に伴い、仮想空間での業務やイベントの開催が増えています。
バーチャルオフィスツール比較表
| 比較項目 | Horizon Workrooms | MetaLife | RISA | Virbera |
| 操作性・使いやすさ | VRヘッドセットが必要、直感的な操作 | VR機器不要、直感的なインターフェース | シンプルなUIで直感的な操作 | 自由なカスタマイズが可能だが、学習が必要 |
| コミュニケーション機能 | 音声・ビデオ通話、ホワイトボード、空間オーディオ | 自動音声通話、チャット機能、バーチャルオフィス対応 | ワンクリック通話、アバターのステータス表示 | 会議・プレゼン機能、イベント向け大規模コミュニケーション |
| カスタマイズ性 | VR空間の調整が可能、ホワイトボード搭載 | バーチャルオフィスやイベントスペースの作成可能 | リアルなオフィス環境を再現 | 3D空間の自由なカスタマイズが可能 |
| 連携ツール・拡張性 | Meta製品と連携、PC・モバイル対応 | クラウドストレージやチャットツールと連携可能 | 業務管理ツールと統合可能 | Zoom、Google Meet、タスク管理ツールと連携可能 |
| 対応デバイス | VRデバイス必須、PC・モバイル対応 | PC・モバイルで利用可能 | PC・モバイル対応、VR不要 | PC・VR対応、タブレット・モバイルも可 |
| セキュリティ・プライバシー | 企業向けデータ保護機能あり | 通信暗号化・プライバシー保護機能あり | 業務データのセキュリティ管理が可能 | 企業向けセキュリティ機能を完備 |
| 価格・コスト | 無料プランあり(VR機器は別途必要) | プランごとの価格設定あり、初期費用なし | 月額制、チーム向けの価格設定あり | イベント用途では価格が変動、無料プランあり |
| ユースケース | リモート会議、バーチャルオフィス、チームワーク強化 | リモートワーク、オンラインイベント、教育 | 業務管理、オフィス再現、遠隔コミュニケーション | 企業研修、大規模イベント、教育機関での活用 |
1.Horizon Workrooms(ホライゾン・ワークルームズ)


引用元:https://forwork.meta.com/jp/horizon-workrooms/
Horizon Workrooms は、Meta(旧Facebook)が提供するバーチャルオフィスプラットフォームで、VR技術を活用してリモートワークをよりリアルな体験に変えるツールです。仮想空間内で会議や共同作業ができ、リモートワーク環境を強化します。
特徴
- VRを活用した臨場感のある会議→ ユーザーはVRヘッドセットを装着し、まるで同じ部屋にいるような感覚で会話や議論ができる。
- 空間オーディオ技術でリアルなコミュニケーション→ 声の方向や距離を再現し、自然な会話が可能。
- ホワイトボード機能で共同作業がスムーズに→ メモを取ったり、アイデアを可視化したりできるため、オンライン会議の効率が向上。
- PCからの参加も可能→ VRヘッドセットがなくても、PCやモバイルデバイスから会議に参加可能。
- リモートワークの生産性向上→ バーチャルオフィスとして活用でき、チームメンバーが自然に交流できる環境を提供。
Horizon Workrooms は、オンライン会議の枠を超え、より直感的でリアルなコラボレーションを実現するプラットフォームとして、リモートワークの新たな可能性を広げています。
2.MetaLife(メタライフ)


MetaLife は、インターネット上の仮想空間でアバターを使ってコミュニケーションを取ることができるプラットフォームです。リモートワーク、オンラインイベント、教育の場など、さまざまな用途で活用されています。
特徴
- アバターを通じたリアルなコミュニケーション→ ユーザー同士が近づくだけで自動的に通話が始まり、スムーズに会話ができる。
- バーチャルオフィスやイベントスペースとして活用→ オフィスや会議室のような空間を作り、テレワークやオンライン会議に利用可能。
- 簡単な操作と直感的なデザイン→ 特別なVR機器が不要で、誰でも簡単に使えるインターフェース。
MetaLife は、リモートワークの新しい形として注目されているだけでなく、オンラインイベントや教育の場としても広がりを見せています
3.OPSIONの「RISA」


RISA は、OPSIONが提供するバーチャルオフィスサービスで、リモートワークの業務状況を可視化し、スムーズなコミュニケーションを実現します。
特徴
- アバターの状態を表示→ 「会議中」「取り込み中」「商談中」など、アバターにステータスを表示し、チームメンバーが互いの状況を一目で把握可能。
- ワンクリックで通話開始→ アバターをクリックするだけで、すぐに音声通話を開始できるため、よりスムーズなコミュニケーションが可能。
- リアルなオフィス環境を再現→ まるで実際のオフィスにいるような感覚で仕事ができ、リモートワークでも自然な交流を実現。
RISA は、リモートワークにおける「すぐに話しかけられない」「相手の状況がわからない」といった課題を解決するツールとして注目されています。
4.Virbera(バーベラ)


引用元:https://www.gaia-link.net/virbela
Virbera は、オフィスだけでなく、イベント会場や教育施設も構築できるバーチャルワールドプラットフォームです。
特徴
- 自由にカスタマイズできる仮想空間→ 企業のオフィスやイベントホール、学校のキャンパスなど、さまざまな空間をバーチャル上に再現可能。
- 会議・研修・プレゼンテーションに対応→ バーチャル会場でのイベント開催や、教育機関向けのオンライン授業にも活用できる。
- 多彩なデジタルコンテンツを表示可能→ モニターやスクリーンに画像・動画・PDFなどを表示し、リアルな研修やプレゼンを実施。
Virbera は、ビジネスだけでなく、教育やイベント業界でも活用が進んでおり、オンライン空間をよりインタラクティブに活用したい企業や団体にとって、有力なプラットフォーム となっています。
まとめ
この記事では、メタバースについて、ビジネスでの活用のされ方や、バーチャルオフィスのメリット・デメリットについて解説しました。
バーチャルオフィスを導入すれば、アバターを使って自由に移動し、リアルな会話ができるため、リモートワークの課題である「孤独感」や「コミュニケーション不足」を解消できます。また、Zoomのような監視感がなく、オフィスのような自然な雑談やアイデア共有が可能です。
さらに、ホワイトボード機能や画面共有を活用すれば、リアルに近い形での議論やプレゼンができ、よりスムーズな意思決定を実現できます。
メタバースの影響は、オフィスだけではありません。 近年では、バーチャルイベントやオンラインショップの活用も増え、企業はリアルな店舗を持たずに商品を提供できるようになりました。従来の働き方にとらわれず、メタバースを活用することで、コストを抑えながら柔軟なビジネス展開が可能になります。
とはいえ、「導入のハードルが高い」「何から始めればいいかわからない」と感じる方も多いでしょう。
弊社では、社内SE業務やバックオフィス業務のアウトソーシング(月額4万円〜)を提供しており、メタバース環境の導入や運用のサポートも行っています。「興味はあるけど、何から始めたらいいかわからない…」という方は、ぜひ一度ご相談ください!










